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世界の中心、針山さん (成田良悟) [小説感想]

世界の中心、針山さん

世界の中心、針山さん

  • 作者: 成田 良悟
  • 出版社/メーカー: メディアワークス
  • 発売日: 2005/10
  • メディア: 文庫

成田良悟の短編集。

ベットの下に殺人鬼、の都市伝説を成田流にアレンジした『としれじぃ』。
やくざの家に魔女っ子が落ちてくる『魔法少女893号』。
とある島で大量に勇者が発生する悲劇を描いた『拝啓、光の勇者様』。
そして、これらの話が収斂していく『奇蹟の中心、針山さん』。

針山さんこと、針山真吉は、ごく普通の家庭を持った37才のデザイナー。特異な能力なんて何も持っていない。しかし、何か事件が起きると、何故かどこかで彼が関わることになる。

針山さんとは、全く関係無いところで事件が発生しながらどこかで針山さんがかすっていく。成田良悟は、こういった群像劇を描かせたら天下一品。相変わらず構成が巧い。テンポの良い文体で、一気読み。

『猫耳地底人』の正体には、笑った。


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