リトルフォレスト (2) (五十嵐大介) [漫画感想]
『小森のこと
”小森”は、東北地方のとある村の中の小さな集落です
商店などはなくちょっとした買い物なら役場のある村の中心まで出ると
農協の小さなスーパーや商店が数軒
行きはおおむね下りなので自転車で30分くらい帰りはどのくらいかかるかなぁ…
冬は雪のため徒歩になります のんびり1時間半くらいでしょうか』
表紙の折り返しにある作者による小森の紹介。
どんなに悩んでいても、食べるときの描写は必ず笑顔。
いち子が料理を口にする時の顔が美しい。
レシピが実用的。
北国の話なので、かなり寒くないとできなものも多いけど、野菜の保存の仕方とか参考になる。
トマトなんか、あれで保存が利くのかぁって感じ。都会のトマトは完熟トマトじゃないけどね。
しなびたアケビが旨いなんて知らなかった。
野菜を育てて、料理をしたくなる。
ベランダ菜園から始めてみようかな…。
愛しみ育て食べてしまう。
食材のほとんどが、自分で育てたり摘んできたもの。
これって、すごいことだなぁと思うけど、ほんとは、そっちが人間本来の姿なのかもしれない。
アイガモの回の最期の笑顔がなんとも言えない。
バロンチェアを買ってしまいました [駄文]
高機能な椅子で有名どころでは、ハーマンミラー社のAeron Chair ( ア-ロンチェア )なんかがあります。日本では、オカムラというメーカが有名で、そこのバロンチェアを買いました。座った状態で頭まで寄りかかれる高さのエクストラハイバックで、背もたれ、シート共にメッシュを選びました。
さて、この椅子、何が良いのかと申しますと、アーロンチェアでもそなのですが、まず、椅子の高さや背の倒す確度だけでなく、肘置きの高さとか、シートの前後、リクライニングの堅さ等、調節できるところが事細かくある。それになにより、背もシートもメッシュなので、長時間座っていても、涼しいのです。特に夏場は蒸れません(これから寒い季節ですが…)。
今までは、家で本を読む時、ベットで寝転がってたりしてたのですが、この椅子が来てから、ほとんど、座って読んでますね。
ちとお高いですが、長時間、椅子に座るのであれば、椅子自体にこだわるのも良いかも知れません。
リトルフォレスト(1)(五十嵐大介) [漫画感想]
東北のとある集落、小森。都会で暮らしていた”いち子”は、その小森に帰って、一人で暮らし始める。都会での暮らしに疲れたいち子の心が見え隠れしながらも、母に教わった記憶をたどったりや集落のおばちゃん達に教わりながら作る料理の数々。
米を作り、ジャムをつくり、山菜を摘み…。野菜を育て、害虫を殺す。甘酒もどぶろくも自分で造る。そして、手間暇をかけて料理を作る。
作者の五十嵐は、実際にこんな生活を送っているという。登場人物の目が魅力的。いち子のおいしい顔が良い。 最高に食欲をそそられるのだ。
しっかり、レシピも付いているし、作ってみようかなぁと思うけど、たぶん、無理なんだろうなぁ。
実際にこういう生活を送っている人たちは沢山いるんだろうけど、都会で暮らしてきた僕にとって、この漫画はファンタジーだ。
僧正の積木唄 (山田正紀) [小説感想]
闇狩り師(夢枕獏) [小説感想]
二メートルを超す身長に分厚い身体。その巨体に似合わず軽々と中国拳法を使う。敵は、悪鬼魍魎だけでなく、商売敵きの人間から壮絶な拳法と使う中国からの殺しまで。キマイラシリーズとも世界観を共有する人気の九十九乱蔵シリーズの第一弾。
文庫版では、6つの短編が収められている。
夢枕獏の文章は、独特のリズムを刻んでいる。特にこのシリーズでは、その詩的とも言えるリズムと息も吐かせぬ格闘シーンのスピード感でのギャップが新鮮で、夢中で読んだ記憶がある。格闘シーンはスピードだけでなく、痛みも伝わってくるのだ。
退魔モノは漫画や小説の中一つのジャンルとして成立する程、多くの作品があるが、この作品の影響はかなり大きい。格闘技や退魔モノが好きな人は、是非読んで欲しい。
鏡の中は日曜日(殊能将之) [小説感想]
表題作の『鏡の中は日曜日』と二本で一組の話となる中編『樒/榁』の3つのお話が入ったお得な一冊。
石動戯作は、奇妙な依頼を受ける。その依頼は、鮎井郁介の推理小説『梵貝荘事件』の再調査。名探偵水城優臣は実在の人物で、その事件も14年前に現実に起きたものだという。
探偵水城優臣の大ファンだった石動は、調査を引き受ける。
「石動戯作は、約ひと月後に自分が殺されるかもしれないなどとは、ゆめにも思っていなかった。」
小説と現実、過去と未来が複雑に入り乱れ、完成された探偵の水城と不完全な探偵石動が競演する。
相変わらずニヤリとさせられる巧みなプロットです。
もぅ、本全体が罠ですから。
探偵宣言―森江春策の事件簿(芦辺拓) [小説感想]
芦辺が描く日本一地味な探偵森江春策の高校時代から最近までの事件を扱った短編集。
何故、犯罪と対峙するのか。作中ではっきり語られる訳ではないが、森江が歳を経る中で、次第に彼の中で明確になっていくのが感じれらる。森江のシリーズが好きな人は必読だろう。
まぁ、森江自身、マイナーだけどね…。
短編集だが、帯にもある通り実はそれぞれの話が繋がっていると言うパターンなのだが、仕掛けは無理矢理。全然、繋がってないし。しかも、短編のわりにテンポが悪い。
全体の仕掛けを気にするよりも、一編一編、噛みしめながら読むのが正しい気がする。
物語の体操―みるみる小説が書ける6つのレッスン(大塚英志) [評論感想]
小説家、マンガ原作者、評論家と色んな顔を持つ大塚の小説入門書であり文学批評入門。
小説を書くためには、まず、物語の構造を理解せよ、と説き、そのための実践的なトレーニング方法を紹介しながら、文学を解体していく。
批評としてのアプローチは目新しい物ではないが、大塚の文学に対する愛情が垣間見える。なんだかんだ言って、文学が好きで、面白い物を読みたいと言う熱意を常に持っているのだろう。
高橋源一郎の「解説」が良い。
読んでて何となく思ったのだが、大塚って「エンダーのゲーム」とか好みなんじゃないかな、とふと思った。
スポーツドクター(松樹剛史) [小説感想]
4章+エピローグの章立てだが、章毎に話は完結している短編形式。
足を痛めたバスケ部のキャプテン岡島夏希がスポーツドクター靫矢との出会う。靫矢の治療のお陰で、高校最期の大会で満足のいく結果を得ることができた夏希は靫矢のクリニックでバイトを始めた。そして、そこに訪れる患者達の身体と心の傷に向き合っていく。
軽い文体で、肩の力を抜いて読める。
が、浅い印象。
スポーツと医学にまつわる問題点を告発するには、勢いが足りない。なんか、結局、どの話も根本的に解決していない気がする。
青春小説と言うより、(ありがちな)ラブコメ漫画みたいだし。
もぅちょっと、緊張感のある展開が欲しかったなぁ。
僕の読み込みが足りないのかも知れません。